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行政手続法の適用除外とは?地方自治・国の機関・特殊法人の違いをわかりやすく解説

行政手続法の適用除外とは?地方自治・国の機関・特殊法人の違いをわかりやすく解説

「行政手続法って、すべての行政行為に適用されるんじゃないの?」——行政書士試験の勉強を進めていると、こんな疑問を持つ方は少なくありません。実は、行政手続法にはいくつかの「適用除外」が定められており、地方公共団体の機関の行為や国の機関に対する行為については、一定の場合に行政手続法の適用が外れる仕組みになっています。この記事では、試験に頻出の適用除外のルールを、具体例を交えながらわかりやすく解説します。

なぜ「適用除外」が必要なのか?まず背景を理解しよう

行政手続法は、行政運営の公正さを確保し、国民の権利利益を保護するために定められた法律です。しかし、すべての行政行為に一律で同じルールを適用すればよいかというと、そう単純ではありません。

たとえば、地域ごとに事情が異なる地方行政の場面では、全国一律の規制よりも、各地域の特性に応じた柔軟な対応が求められることがあります。また、国の機関同士のやりとりや、特殊な法人に対する処分については、一般の国民を守るための行政手続法を同様に適用することが必ずしも適切とはいえません。

こうした背景から、行政手続法には「適用除外」の規定が設けられており、行政書士試験でも繰り返し出題される重要なテーマとなっています。

地方公共団体の機関の行為の適用除外(3条3項)

地方公共団体の機関が行う行為については、行政手続法の適用が一部除外されています(第3条第3項)。その理由は、全国一律のルールを当てはめるよりも、各地域の特性に応じた処理をする方が望ましい場合があるからです。

ただし、「すべての行為が除外される」わけではありません。根拠となる法令が「法律・政令」か「条例・規則」かによって、適用の有無が変わってきます。ここが試験でも問われやすいポイントです。

法律・政令に基づく行為の場合

地方公共団体の機関が行う行為であっても、その根拠が法律や政令にある場合は、行政手続法が適用されます。処分・行政指導・届出のいずれも適用対象です。法律や政令は全国共通のルールですから、行政手続法による統一的なチェックを及ぼすことが合理的です。

条例・規則に基づく行為の場合

一方、根拠が条例や規則にある場合は、処分・行政指導・届出のいずれも行政手続法の適用が除外されます。条例や規則は地方独自のルールですから、地域の実情に合わせた手続を各自治体が自主的に定めることが想定されています。

ただし、命令等の制定(いわゆる行政立法)については、根拠が法律・政令であっても条例・規則であっても、行政手続法は適用されません。この点は例外として覚えておく必要があります。

地方公共団体の機関の行為|適用の有無まとめ

  • 【法律・政令に基づく】処分・届出 → 行政手続法の適用あり
  • 【条例・規則に基づく】処分・届出 → 行政手続法の適用なし(適用除外)
  • 行政指導・命令等の制定 → 行政手続法の適用なし(適用除外)

条例に基づく処分には行政手続法が適用されないって、覚え方はある?

「条例・規則は地域のルールだから、地域で手続も決める」とセットで覚えると忘れにくいよ。行政指導・命令等の制定は根拠に除外というのも、一緒に押さえておこう。

国の機関等に対する行為の適用除外(4条1項)

次に、国の機関や地方公共団体などを名あて人とする行為の適用除外について見ていきましょう。

行政手続法はあくまでも国民の権利利益の保護を目的としています。そのため、国の機関等に対する行為については、原則として行政手続法の事前チェックは不要と考えられています。

ただし、例外があります。たとえば、路線バス事業に対する営業許可処分のように、国の機関等が一般の国民と同じ立場で処分の「名あて人」となる場合があります。このようなケースまで一律に適用除外にしてしまうと、国民と同等の立場で行動している国の機関等が不当に保護を失うことになり、妥当ではありません。

そこで、行政手続法第4条第1項では、国の機関等に対する処分について、「その国の機関等が固有の資格において名あて人となるもの」に限って適用除外とする旨が定められています。

「固有の資格」とはどういう意味か

「固有の資格において名あて人となる」とは、国や地方公共団体などとしての立場・資格で処分の対象になるという意味です。つまり、一般の国民ではなく、国の機関としての特別な立場で処分を受ける場合がこれにあたります。この場合は適用除外となり、行政手続法は適用されません。

反対に、国の機関等であっても、民間企業や一般市民と同じ立場で処分の名あて人となる場合(たとえばバス事業の許可申請)は、行政手続法が適用されます。

注意点|「固有の資格」の判断でつまずかないために

  • 国の機関等=すべて適用除外ではない。「一般国民と同じ立場」かどうかで判断する。
  • 「固有の資格において名あて人となるもの」のみが適用除外となる(4条1項)。
  • 路線バスの営業許可のように、国の機関が民間と同じ立場で申請する場合は行政手続法が適用される点を押さえよう。

特殊法人等に対する処分の適用除外(4条2項・3項)

最後に、特殊法人・認可法人・指定法人などに対する処分についても触れておきましょう。これらの法人に対する処分は、行政手続法の適用除外とされています(第4条第2項・第3項)。

特殊法人とは、法律に基づいて設立された公共性の高い法人(かつてのNHKや日本道路公団など)のことを指します。認可法人や指定法人も同様に、国との関係が深い特別な法人です。これらの法人は一般の民間企業とは異なる性格を持つため、行政手続法とは別の仕組みで管理されることが適切と判断されています。

試験対策としては、「特殊法人・認可法人・指定法人への処分は適用除外」という結論を根拠条文(4条2項・3項)とセットで覚えておけば十分です。

まとめ:行政手続法の適用除外は「誰が・何に基づいて・どんな立場で」の3点で整理しよう

  • 地方公共団体の機関の行為は、「条例・規則に基づくもの」は適用除外、「法律・政令に基づくもの」は適用あり、と根拠法令で使い分けて覚えよう。今日まず表を見ながら整理するところから始めてみよう。
  • 国の機関等に対する行為は、「固有の資格において名あて人となるもの」のみ適用除外。一般国民と同じ立場での処分には行政手続法が適用される点を確認しておこう。
  • 特殊法人・認可法人・指定法人への処分は適用除外(4条2項・3項)。根拠条文とセットで記憶し、過去問で出題パターンを確認しておこう。